しつけしやすいプランのコツは?間取りをチェック!
ペットと暮らすことを考え、注文住宅を建てたり、リフォームを依頼したり、分譲住宅や中古住宅を購入するにしても、入居してから「こうしておけばよかった」という後悔はしたくないものです。失敗したからすぐに買い替えるということが難しい住まいだからこそ、事前の確認と準備は欠かせません。そこで最低限、確認しておきたいポイントを下記にまとめました。家探し、家づくりの参考にしてみてください。
ワンちゃんネコちゃんの視点で間取り図をチェック!
1.エントランス
ワン(犬)ちゃんと暮らす場合、毎日の散歩が日課となります。
散歩に行くときの準備や、帰ってきたときのケア【ワン(犬)ちゃんの足を拭いたり、汚物の処理など】も念頭に、広さや収納が充分かをチェックしましょう。
また、玄関と浴室やトイレが近い方が、散歩後のケアがしやすいなどメリットも多いので、確認しておくといいでしょう。
2.エントランスホール
ワン(犬)ちゃんや猫の外への飛び出しや、来客への飛びかかりを防ぐためにも、玄関ホールはワン(犬)ちゃんや猫の出入りを制限したい場所です。玄関ホールとリビングの動線が一直線でなく、かつ市販のペットフェンス(赤ちゃん用の安全柵でも可)などをつけられるのが理想ですが、ペットフェンスが取り付けられる間取りなら、問題はありません。
3.ベットルーム
衛生面を考えて飼い主とワン(犬)ちゃんの寝床は別々にしたいものですが、ワン(犬)ちゃんが高齢になり介護が必要になった際は、寝室内にワン(犬)ちゃんの寝床を設けた方が便利なケースも出てきます。犬の寝床は、飼い主と犬の目線が合わない場所に置くのが互いにぐっすり休むコツなので、充分な広さがあるかのチェックをしておくといいでしょう。
4.カーテンボックス・レール
高いところが大好きな猫ちゃんにとってカーテンボックスは格好の遊び場です。家具などを伝って上れる高さだと、猫ちゃんが上ってキズをつけたり、汚すことも考えられます。
また、上るのが得意な猫も、実は下りるのは苦手です。上がったはいいものの下りてこられなくなる、なんて事態も想定されます。
カーテンボックス・レールは天井付けがベスト。そうでない場合は、猫が上れないないよう配慮しておきましょう(配慮についての具体的な対策を付け足していただきたいです)。
5.和室(ジャパニーズルーム)
ワン(犬)ちゃんや猫の爪で畳がボロボロになってしまったり、障子や襖を破かれてしまったり、ダニの温床になってしまう可能性もあります。和室にはワン(犬)ちゃんや猫は入れないのを基本とし、しっかり間仕切りができるか確認しましょう。
6.浴室(バスルーム)
浴室は最も事故が起こりやすいエリア。基本は飼い主と一緒でなければ入れないようにしておくことが大切です。浴室でまずチェックしたいのが扉。二枚扉のように押して開けるタイプの扉は、ちゃんと閉めていてもワン(犬)ちゃんや猫が体重をかけた拍子に開いてしまう可能性があります。犬や猫が開けにくいタイプの扉(引き戸や内開きなど)であるのが理想です。また、浴室の扉は閉めておくことが前提になるので、浴室乾燥機や窓など湿気対策が施されているかも確認しましょう。
万が一、ワン(犬)ちゃんや猫が侵入してしまったときのことを考えて、浴槽には蓋があるか、洗剤や石けん、シャンプーなどワン(犬)ちゃんや猫が舐めると危険なものを常に片付けておける収納(高い場所や扉付きがベスト)があるか確認することも大切です。ない場合はどのような工夫ができるか考えておきましょう。
7.洗面所(サニタリー)
洗面所は基本、掃除しやすい床材が使用されているので、ペットのトイレを置くのに最適なエリア。ペットのトイレを置ける広さがあるか、確認しておきましょう。
8.台所(キッチン)
衛生面や事故防止の観点から、キッチンもワン(犬)ちゃんや猫ちゃんの出入りを制限したいエリアです。理想は、扉で仕切られた独立式のキッチンです。その場合、扉は廊下側からみて内開き、ドアノブはレバー式ではなく、握り玉などワン(犬)ちゃんや猫ちゃんが開けにくい仕様の物がベスト。独立式キッチンでなくても、ペットフェンス(赤ちゃん用の安全柵でも可)などで侵入を制限することができれば、問題はありません。
9.居間(リビング)
ワン(犬)ちゃんが安心して暮らすのに欠かせない居場所は、家族がくつろぐリビングがベストです。サークルやハウスを置けるだけの充分な広さがあるかを念頭にチェックしましょう。ちなみに、ワン(犬)ちゃんの居場所を置くのは、隣家との境界ではない壁際などの比較的静かな場所がベストです。
10.床(フローリング)
フローリングは掃除しやすいなど利点がありますが、ペット、特にワン(犬)ちゃんにとっては滑りやすく、股関節のケガの原因になることもあります。ワン(犬)ちゃんや猫の動線部分にはカーペットを敷いたり、滑り止めコーティングをすると、歩きやすく、爪によるキズ防止や防音効果もあって◎です。注文住宅やリフォームなら、あらかじめ滑り止め効果やキズ防止効果のあるフローリングやタイルカーペットなどの床材を活用するのも手です。
11.コンセントの確認
コンセントにおしっこをかけてしまったり、コードを齧ってしまうなどの事故の危険性があります。どこにあるのかを確認の上、入居時までに専用のコンセントカバーやコードカバーの準備をしておきましょう。
12.遮音機能のカーテン
外部の音に敏感なワン(犬)ちゃんや猫ちゃんに少しでも快適な生活をプレゼントしたいなら、カーテンを遮音機能のあるものにすると◎。特に夜は静かな分、ちょっとした音に敏感に反応、ムダ吠えの原因にもなるので、配慮しておきましょう。
13.空気の取り入れ口
2003年7月1日着工以前の建物には、24時間計画換気システムが付いていないケースが多いので、空気動線についてチェックすることも大切です。壁や窓などに空気の取り入れ口があるかどうか。窓を開けたときの空気の通りはどうかなどを確認しておきましょう。
14.バルコニーの確認と対策
猫は高いところが好きだからバルコニーに出ても大丈夫、と思っていたら大間違いです。実は転落事故は少なくないので、柵の幅はどのくらいか、縁に上がれないよう工夫はできるか、隣家に侵入できる隙間はないかなど確認をし、あらかじめ対策を講じておくことが大切です。
15.専用の勝手口の確認
戸建ての場合、玄関の他に裏口やお勝手口といった別の出入口がある場合も少なくありません。間取りにもよりますが、玄関以外の出入り口をワン(犬)ちゃん専用に活用できないか動線も含めて確認してみましょう。ワン(犬)ちゃんの出入り口と人の出入り口を分けることができると、来客の際など、ワン(犬)ちゃんが苦手な人への配慮もしやすくなります。注文住宅の場合は、散歩に出る際の動線も考え、入口を配置してみるのも手です。
16.換気扇、音の確認
音漏れの原因になるのが換気扇です。音漏れの状態をチェックし、取り換え可能であれば、換気扇の開口部を防音仕様にするのも手です。外部に取り付ける雨よけのフードを深型にするだけでも音漏れ防止効果は期待できます。
17.ひさし)直射日光を和らげる工夫ができるか?
南向きで太陽の日差しが入る家というのは、人間にとっては大変心地のいいものですが、夏場など強い日差しによって室内温度が急上昇すると、体温調節が苦手な短吻犬種(パグやブルドックなどの鼻先が短い犬種)は、熱射病になることもあります。南側に窓がある場合は、ひさしが充分か(45mm以上がベスト。上階のバルコニーがあればOK)、直射日光の和らげる工夫はできるかを確認しておきましょう。
18.お庭)迷惑をかけないための確認事項
庭にある家に越したら、ワン(犬)ちゃんを思う存分遊ばせたい、と考えている飼い主も多いのではないでしょうか。しかし、庭にも危険はいっぱいです。ワン(犬)ちゃんや猫が口にすると危険な植物は植わっていないか、庭から外へ脱走する可能性はないか、近所の人や来客に吠えるなどの迷惑をかけないよう配慮できるか、などを確認し、人の往来が見えないようにするなどの対策を考えておきましょう。
また、ワン(犬)ちゃんにとって穴堀は最高のストレス解消法です。ワン(犬)ちゃんが穴を掘ってもいいようなスペースを設けるようにすると、ワン(犬)ちゃんも喜ぶはずです。
入居前に確認しておきたい!ペットと楽しく暮らせる住まいチェックリスト(室内編)
ペットと楽しく快適に暮らすために、ぜひ入居前にチェックしておきましょう。
□ ポーチ 脱走防止をほどこせる作りでしょうか?
□ 玄関 散歩後のケアができる程度の広さはあるか?
□ 玄関 散歩アイテムなど、ペット用品がしまえる十分な収納はあるか?
□ 玄関ホール ペットフェンスなどでホールへの行き来を制限できる間取りですか?
□ 洗面所 ペット(特に猫)のトイレが置けるスペースはありますか?
□ 浴室 ペットが開けにくい扉がついていますか?
□ 浴室 浴槽のフタは、ワン(犬)ちゃんや猫が乗っても壊れない丈夫なものですか?
□ 浴室 ワン(犬)ちゃんや猫が触れにくい場所にシャンプーや洗剤をしまっておけるスペースはありますか?
□ 浴室 浴室乾燥機や窓など、扉を閉め切っていても除湿できるようになっていますか?
□ キッチン ペットの行き来を制限できる間取りですか?
□ キッチン 換気扇の開口部分からの音漏れはチェックしてみましたか?
□ リビング ワン(犬)ちゃん専用スペースを確保できるだけの十分な広さはありますか?
□ リビング コンセントの位置は確認しましたか?
□ リビング 空気の取り入れ口はありますか?
□ リビング カーテンボックスは天井付けですか?
□ リビング 2階にリビングがある場合、散歩以外はペットが2階で過ごすのに適した間取りですか?
(ワン(犬)ちゃん専用スペースやトイレ、シャンプーなどのケアが全て同階でできるのが理想)
□ 和室 ペットの出入りを制限できるよう、扉などで仕切ることはできますか?
□ 寝室 ペットが高齢になったときに専用の寝床スペースを確保できる広さですか?
□ 階段 ペットフェンスなどで出入りの制限は可能ですか?
□ 窓 直射日光が直撃しない程度のひさしはありますか?
□ 裏口・勝手口 ワン(犬)ちゃんの外出動線に使える位置にありますか?
□ バルコニー ペットが転落、脱走してしまう隙間はありませんか?
□ 庭 ペットが口にすると中毒を起こす可能性がある植物はありませんか?
□ 庭 脱走や無駄吠えを防止する塀や囲いはありますか?